ことり…
黒い男はそのおんなの名をよぶ。くるしそうに笑わず、それはひどく、なきそうだった。(いつか哭いてしまいそうだ)。彼女は思う。泣いてしまいそうだ。彼が好きでたまらないんだ。なあどうしたらいい。どうしたらいい。どうしたら忘れない。どうしたらあんたをわすれなくてすむ。どうしたら どうしたら どうしたら

…ことり
黒い男はよぶのをやめる。泣いてしまっている気が、男にはしていた。泣いているの、そう言おうとし、自然に口を閉じた。泣かなくていい… 明日になればきみはきっとわすれている。俺を愛したことも そうやって 好きだと 泣いたことさえも  。



きみは忘却の住人
おれは君を繋ぎとめる