ははは、例えば… と 男は言った。頭がイカレそうな声だと、自分は思う。酷く酔った気分になった。彼の音は子どもを殺す。 私が君を愛したとして …ずるいジョークだ、と思う。この場合、わたしにしてみれば「例えばの話」でもなんでもなかった。それを君は知っているくせに。めまいがする。 だからと言って、きっと何もないぜ …意味が、わからないな、と思った。なんで?と思わず反射的に口がうごく。そして彼も間髪いれずにその唇を動かした。まるで、何事も無いようなうごきで。 私は愛をしない …あいを? しない 愛を、愛を、しない、と、彼はわたしに向けて云った。宣戦布告だろうとわたしは思った。彼はそう言ってわたしを見る。しかしそれは悠然と。 「君を“愛する”ことなんて簡単なんだ」 (じゃあその「きっと」に私は賭けるとするよ。そういえば、あんたはその眼で睨むのかな。) |