先生、とアリが声をすぼめて呼びかける。返答はない。当たり前だ、とアリは自らで思った。ヤオが寝転がるくたびれたソファーに手をつく。本当に、ただ、ついただけだ。座ることも、ヤオを跨いだりする事もない。手を、そのソファーにつけた。
だけれど、なぜかそこからは、ヤオの温もりが伝わるようで、(不思議)。
そのまま床に尻をつけ、手の傍に頬をやった。その頬からも、ヤオの温かさが伝染する。
…そのまま、寝てしまいたかった。
けれどそれを邪魔するのは、わたしの理性だと、蟻は感じる。