にゃー、と呼ばれる。 おれは存外この珍名が好きだった。ねこは好きだ。きれいだから。昔見た月を背負うねこを見てからねこが猛烈に好きになったから。それを見たおれは思わず「ニャー!」と叫んでいてそのねこは驚きサッサと逃げてしまったのだがおれにとってはあのねこが世界で一番きれいなんだと思っている。(そのねこは太っちょで鼻がつりあがっていた) 結構な被害妄想でなにかしらすぐに叫んでいて走っていて呂律はまわらなくて、にゃー、と言った。 それを見て順光があまりにも情けない顔をするので、あんだい、と笑った。(と、オレは思っているが他人から見ると普段から笑っている顔なんだそうで)奴は、ピンッ、と持っていたタバコを指で弾きそこらへ捨て、なんもないスよ、と言った。もったいなー、と思いながら捨てたタバコに飛びつきそれを拾う。「捨てンなよー」ぐりぐりと火を地面で消しながら順光に言った。無視。順光は無視。こんにゃろ、とか思いながらも口に出さないで、自分の携帯灰皿に吸殻を入れた。 「エコロジーだよ、順光クン」 「・・そうスかねェ」 |